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東京爆発、その後

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  • 2020.01.01
  • 4:46
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歌詞

東京爆発、その後 世界は言葉だけになった 意味だけの世界 肉体のいらない街 ビル群は巨大な共同墓地になった 割れた窓から、 焼けただれた ヘンやシンニョウが覗いていた すべての言葉は過去形になった すべての文字は傷跡になった 血液のようなインクの染みが 黒ずんだ瘡蓋に変わるころ それを剥がすように 無意味の風が吹き抜けていった すべての歌はBGMになった すべての映画は コマーシャルになった すべての小説は実話をもとにした フィクションとされ 涙を要求された 人々は涙を流すために涙を流し 涙は遥か上空から 雨になって降り注ぐ 言葉の雨は放射能によく似ていて 目には見えないやりかたで 人々を傷つける だけどそれは 麻薬にもよく似ていて 人々に天使の幻を見せるのだった 共同墓地の上空を 今日も天使たちが飛び交っている 天使の放つ矢に射抜かれた人々は 愛したり憎んだりを繰り返している よく御覧なさい あれは青い鳥なんかじゃないし ハート型UFOでもない 言葉そのものですよってね 東京爆発、その後 世界は言葉だけになった ビル群は巨大な集積回路になった 人工衛星から見ると、それは 広大なサーバー施設によく似ていた すべての記憶は記録されたし 記録されなかったものは 存在し得なかった 言葉の幽霊と書いて 言霊のような無意味が 意味を求めて街を彷徨うが 彼らは天使たちに すべからく包囲される 天使たちの弓矢は 正しさでよく磨き上げられている 撃たれたものは、 すべからくPOPする 爆発四散した言霊が 今日も一陣の風となって 墓地を吹き抜ける パルスの星屑となって、 電子回路を滴り落ちる 言葉は 中絶された未来形となるだろう 東京爆発、その後 世界は言葉だけになるだろう 意味だけの世界 肉体のいらない街 ビル群は 巨大な共同墓地になるだろう 割れた窓から、 焼けただれたPやOやPが 覗いていただろう 誰が瘡蓋を剥がしてくれるだろう 誰がこれを歌にしてくれるだろう 録音して、再生してくれるだろう 天使たちの手を逃れて 流される血は、 流されるすれすれのところで ナイフを当てながら 声になるのを夢見て

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