拝啓 先生、やっぱり私は 大人になりたくありません。 なんて、言ってるそばから この手が震えているのは何故でしょ う? 疲れた顔して誰もがうつむく電車の 片隅で、 もうどうでもいいやって 思いはじめてた10時7分 明日の予定を知らせる アプリの通知が甲高く響いた 背中を押された先には 焦りが待っているだけなのに 1日がやけに長くなったのは いつからなんだろう? 1年がやけに短くなっても、 彷徨い続けてる あなたは僕が見れない夢をみて 弱音なんかも押し殺して歩いてる あなたは素敵なものを集めては 理不尽な物語を変えていくんだ 拝啓 先生、やっぱり私は 大人になりたくありません。 夢なんて、 って笑うような人になんて 絶対なりたくないし スマホを取り出し時間が潰れた電車 の片隅で、 隣に君がいないことに気づいた10時 7分 拝啓 先生、 私は本日とっても楽しいことをして 両手じゃ足りないくらいの笑顔を みんなに振りまきつづけてた。 明日に残すものすら どこかに消え失せた人生 この先待ってる未来なんて無駄だ 無駄だ、無駄だった なんて絶対言わせない 「楽しいだけが人生じゃない」と 誰かが言っていた 「楽しいだけ」は人生じゃないと いつも思っていた 海底に沈んでく体 月明かりは見えない 駄々をこねくりまわして 弱さを強さに変えていく あなたは僕が見れない夢をみて 弱音なんかも押し殺して歩いてる あなたは素敵なものを集めては 理不尽な物語を変えていくんだ 拝啓 先生、いつか「先生」って 呼べなくなる時が来るなら こんな憂鬱は、 すっかり何処へ旅立ってくのかな。 明け方の空、 果ての見えない空、眠らない街 冬の匂いにスキップしたこと 忘れない 忘れないよ、絶対。