砂にこびりついた雨の模様 橋を渡る人々のひきずるかかと 一度あいた距離は決して埋まらない 周回遅れを狙う 何食わぬ顔で 踊るの なんだかあの人に似ているやけに 似てる 振り返ってみれば やはり後ろ姿までは 呼びつけた犬の名前もいつか忘れ しわがれた喉元で座禅組んだ仏 そのあいた唇はもうふさがらない 最終電車に乗って 台風に紛れ 叫ぶの なんだかあの人に似ているやけに 似てる 振り返ってみれば やはり後ろ姿までは 欄干に肘をつき刺さる風のなかを どれくらい待てばみんな辿り 着くのか この高さからでも 今ならあるいは