長い通りを抜け 四つ角を左へ そこは小麦が揺れる 若いぼくらの世界 失うものなどないのさ 鈍色の記憶が今朝の空気と混じる 「どうしたいの?」と言ったきみは小さく笑い ヴィクトルの小説に栞を刺す 泡になったスーベニア いつかきっと飛べるさ せつない夜空には朝焼けを 7月14日 人波が街を行く この国の王様は誰が決めたんだろう 顔も知らないのに 裸足になったバージニア 種火はいつもここにある 未来は確かにぼくらを知ってる 当たり前だったことは当たり前じゃなくなるよ 例えばきみに白い翼が生えても ぼくは笑ったりしないからさ 泡になったスーベニア いつかきっと飛べるさ 二十歳になったバージニア 種火はずっとここにある ぼくらはいつまでも朝焼けを待つ