はじめに言葉があった さいごに声が残った スプーン一杯の蜂蜜垂らし お砂糖 塩を少々 瓦礫の上で世界の果てで 君を作ろう コップ一杯の涙を流し 昨日の夢と思い出まぶし 風をあつめて土をかためて 君を捏ねよう 粉の女 君はどこにもいない いない いない だけど 粉の女 君はどこかにいつも いつも いつも いるよ 粉の女 君はあしたもいない いない いない だけど いますぐ スプーン一杯のミルクをこぼし 星屑ひとつきらきら 僕のハートを 半分あげる 君になりたい もうすぐ世界の終わりがくるよ 二十六話の向こうはないよ まんまるの月 片方消して 君になれない 粉の女 君ははじめて僕に 僕に 僕に触れた 粉の女 僕ははじめて君を 君を 君を知った 粉の女 僕ははじめて愛に 愛に 愛に触れた あのとき 粉の女 君はどこにもいない いない いない だけど 粉の女 君はどこかにいつも いつも いつも いるよ 粉の女 君はあしたもいない いない いない だけど 指先つかって 愛をぶつけて 君が粉になった 嘘だろ 君が燃えてなくなるなんて 世界はオーブンさ ぜんぶ燃えてしまう どうして 君が熱に融けた 嘘だろ 君が土に還るなんて 世界はキッチンさ 神様のパンさ 僕たちは ワイングラス ぶつけて生きてるだけさ 花火があがるよ もうすぐ 虹が見えるよ