好きな人がいたんです 5月の風が吹く頃だった 好きな人だったんです 斜め前の席の君が 距離は近くなる事もなく 背中も見えない恋でした 想うだけ 見てるだけ それでよかった この恋が花だったら 学名すらないでしょう 気付かれず 見つからずに そっと咲いて 枯れるだけ 空白の花 好きな人がいたんです 友達にさえ言えなかったけど 好きな人だったんです 笑った顔を見た日から 私だけのプレイリストは 君の好きな曲ばっかりで 聴くたびに深くなる 勝手な気持ち 欲のない花だったら もっと強く咲いたでしょう 欲のない恋がよかった もう嫌だ(ヤダ)って思うのが 嫌なんです 少し憂鬱な月曜日も 長く感じる授業だって ねえ 全てが好きでした 光刺さない雨の日でも 君の隣のあの子だけが 眩しく輝いてた この恋が花だったら 学名すらないでしょう もう少し 綺麗だったら 誰かきっと 気付いてた 空白の花 空白の花