零れ枝垂れる 桜の花々です あなたの面影が 浮かび上がって 見惚れているよ僕も 静けさの中 その美しさにはもう 寒気を覚えてしまうほど 桜の樹の下には 桜の樹の下には 桜の樹の下には 躯は無い 若い梢を 風が撫でてゆきます あなたの心は 舞うように旅立つ 掴まえてみせるよ僕は 花と散る前に そっとこの手を伸ばして その一重が色づくのを 桜の樹の下には 桜の樹の下には 桜の樹の下には 躯は無い ずっとそこにいたね 長い間 気づかなくて 優しく抱かれる 幽か春風咲く あなたの言葉が 穏やかに響いて 誘われるように僕は 桜の根元にじっと腰を掛けてみて その血潮に洗われるんです 桜の樹の下には 桜の樹の下には 桜の樹の下には 死体は無い