とても小さな風船一つ 僕の胸で膨らんだ 木馬の中に隠れて いつの間にか 防ぐことすら儘ならず 少しずつ辺りを飲み込んで 突くたび大きくなった 幸せの口内炎 ズボンのポケットに 収まる程度で もう いっそ落としてしまっても 気づかないでいたいの それくらいがいいの 淵から滴っている頃は 分からないや どうやって守ったら いいですか? 素は同じもので出来てるのに こういった仕様の ものでしょうか? 幸せは意地悪だ 随分と大きくなっていた 辺りは水浸し 痛くも痒くもなくて 気にしなかった ヘリウムで浮かんで くれたならどれほど もう いっそ水素にしてしまおう 気づかないでいたいの 大切なものほど 小さく軽いのがいい 夜に泣かぬように どうやって守ったら いいですか? 素は同じもので 出来てるのに こういった仕様の ものでしょうか? それなら随分な副作用だ 何にもしなくても 何をしてても朝は来た ただ 床の濡れた朝だった 陽が染みてゆく 空っぽになっていた 散らばった切れ端が 申し訳程度に胸に残っている 幸せが怖いのです 少し悲観的過ぎるでしょうか 大切なものが恐いのです まだ悲しいほうが ずっと…。