昔。 新宿駅裏には空地が在って、 フェンスで歌うビル風が帰り道だった。 地下道。 駆け抜けて茜空。 都会の匂い。 あの頃とさして変わらない。 ああ、いいね。 東京は黄昏れて赤い光がビルを濡らす。 点しだす街灯に人影はみな夜へ急ぐ。 今。 この幸せに意味はあるのでしょうか? 引き換えに無くしたのは何なのでしょうか? そして、季節はめまぐるしく映り変わり、 答えは、もう、いらなくなった。 数えきれない嘘を誰かの為に口ずさむ。 『違う』、けれど『同じ』日々を行こう。 東京は黄昏れて赤い光がビルを濡らす。 さんざめく街角に人影はただ消えていった。 夕映えに沈む、東京を見てた。 どこまでも沈む、東京を見てた。