まだあまり知られていない注目の曲をお届けする「HAYAMIMI」プレイリスト。andrewに次いでTREKKIE TRAX crewからCarpainterがHAYAMIMISTとして登場。選曲理由を曲ごとにコメント頂いた濃い内容をどうぞ!
【本人コメント】
ここ最近聴いたダンスミュージック、エレクトロミュージックの中で、初めて聴いた際にハッとなった曲を基準に選んでみました。選出した楽曲のどの部分に注目したのかをそれぞれコメントを書いたので、是非その内容を意識しながら聴いてみていただきたいです。
●Canblaster - E Yr Bed (RAD "Remove All Drums" Mix)
Canblaster - Continue!のリミキシーズに収録。タイトル通り本人による全てのドラムパートを抜いたバージョンです。ドラムがなくなったことでシンセサウンドのハーモニーを一段と感じられます。
●Carpainter - Mirage
先日リリースしましたCarpainter - Returningに収録。ハーフなドラムパターンテーマにしたアルバムの中で、ほぼ唯一オンビートで展開していくトラックです。複雑に配置されたパーカッションのファンキーさと無機質さを同時に感じてもらいたいです。
●Space Dimension Controller - EXOSTACK (Minimal Violence Tribal Etiquette Mix)
最近また良い4つ打ちのリリースが多くなってきたR&S RECORDSからのニューリリース。タイトル通りトライバルな質感に寄せたバージョンです。空間と奥行きを感じるパーカッションの音響処理がいいですね。
●TSVI - Pull Up
UK Funky、UK BassサウンドのレーベルNervous Horizonから主宰のTSVIによるニューリリース。バイレ感あるブレイクに正統派なUK Funkyビートでうまくまとまっています。高らかになるブラスから一転して深いドロップに入る展開ははLil Silva - Seasonsを想起させます。
●Lokane - Wings
同じくNervous Horizonからの一曲。キックベースの歪ませ具合の微妙な変化も素晴らしいですが、シリアスなブレイク部からの「Yo DJ!!」は思わず注目しちゃいますね。
●Carpainter - Breakdance
フルアルバム「Returning」の前にリリースしたEP「Changeling Life」に収録。Bmore的なシンプルな声ネタ使いをUK Bassで再現してみました。フロアでの鳴りも是非聴いてほしい一曲。
●M.E.S.H. - Follow & Mute
前曲でもそうでしたが、比較的キャッチーな声ネタ使いが好きでこちらも選ばせてもらいました。1:30からの急にキックが落ちるところがカッコいい。
●DJ Madd - Badman Talkin'
DubstepアーティストDJ Maddによる攻め曲。同じく収録されているリミックスも良かったのですが、楽曲全体の思い切りの良さを評価しててオリジナルバージョンを選出。
●Neybuu - Dhiga
ここからはBPM速めなトラックを紹介していきます。トライバルサウンドが特徴的なUSのプロデューサーNeybuuによるニューリリース。独自の質感を保ったままGhetto Tech、Footworkなダンスミュージックにうまく昇華しています。
●PROC FISKAL - £
去年のHyper Dubからの良リリース。グライムの早回しがテーマだそうですが、元となるグライムがEskibeatのような初期の頃のものをリファレンスにしているのがいいですね。代表曲のこの£はWiley KatのShanghaiを想起させます。
●DJ Orange Julius - Take Off
世界的Juke FootworkプロデューサーのDJ Paypalも所属するMall Music Inc.からリリースのDJ Orange Juliusデビューアルバムに収録。中盤の4つ打ちからのハーフになるドロップ展開はまさにTake Offって感じです。
●Letryp - Let Me Hit It
歯切れのいいピアノのバッキングと割と激しめなブレイクスという、一見強めなレイヴミュージックのように思える構成ですが、ビートの組み方と展開によって一定のテンションで踊り続けられる楽曲にまとまっているのが素晴らしいです。
●Baauer - 41983
LuckyMeによる毎年恒例のAdvent Calenderシリーズですが、今年はこのBaauerの曲が一層ブッ飛んでました。Baauerは2016年にアルバム「Aa」を出してからよりアーティスティックなタダでは終わらせないような曲をリリースするようになった気がします。
●Cid Rim - Zünder
こちらも同じくLuckyMeからのリリース。私の去年のベストアルバムの一つとして選出したものです。ダンスミュージックには見られないジャズ用語としての「グルーヴ」をエレクトロサウンドで再現し、また、進化させていることに感動しました。Cid Rimのジャズミュージックに対する愛を感じるアルバムです。要必聴。
All texted by Carpainter(TREKKIE TRAX)
プロフィール:
Carpainter(TREKKIE TRAX)
DJ/Trackmaker
横浜在住のTaimei Kawaiによるソロプロジェクト。Bass music/Techno musicといったクラブサウンドを軸に制作した個性的な楽曲は国内外問わず高い評価を得ており、これまで自身の主宰するレーベル「TREKKIE TRAX」や「Maltine Records」よりEPをデジタルリリース。
2015年にはレコード形態でのEPやCDアルバムをリリースするなど、積極的な制作活動を行っている。また「tofubeats」「東京女子流」やカプコンの「モンスターハンター」「ストリートファイター」のコンピレーションアルバムにRemixを提供するほか、人気マンガ家「浅野いにお」がキャラクターデザインを務めた映像作品「WHITE FANTASY」では全編において楽曲を提供した。その勢いは国内だけにとどまらず、フィンランドの老舗レーベル「Topbillin」やイギリスの名門レーベル「L2S Recordings」などからもリリースを行ない、イギリスの国営ラジオ局「BBC Radio1」や「Rinse.fm」「Sub FM」でも楽曲が日夜プレイされている。
また、m-floの☆Taku Takahashiが主宰する日本最大のダンスミュージック専門インターネットラジオ局「block.fm」では、レーベルメイトとBass Musicを中心としたプログラム「REWIND!!!」のパーソナリティも担当しているなど幅広く活動している。2016年からは自身の楽曲により構成されたLive Setもスタートし、ライブ配信サイト「BOILER ROOM」での出演などを果たした。
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