「がっしゃん!!」 不確かなただの噂だが ママチャリ漕ぎ出した下り坂 隣町の砂浜に 魑魅魍魎が踊る場所があるらしい 離ればなれになる前に くだらないが まぁまぁ焼き付けたいや 水筒にスポドリ塩振ったおにぎり 準備はかなりまぁ急場凌ぎ オヤジから借りた ポータブルラジオ 轍が揺れて音が飛び出すよ 「流行歌は聴きたかぁねぇ」 ハイカラ狂いの君だったね 追いついた、 ああ追いつけない背中 しかしただ駐在さんの前じゃ ラジオ消して従順な法師 陽炎は望郷を 映し出すサマービーチ 思い出重ねて走らせる限りは 醒めないままYES 涼しげな風が吹いた わかりかけた僕は言う 「ああ、蜃気楼のようだねぇ。」 だんだんと街並み変わり加速する 同じような路地裏が繰り返す いつかどっかの夏と つながりそうで 妙に知った風にして 気が滅入ったふりなんかして 僕らは信じたいよ あの坂登れば噂した場所だろう あまりの太陽、遠くなる退路 毎秒!毎秒!毎秒! 見渡せば何もない 渚が遠くに浮かんで満たした 「また夜に来れば見られるから」 約束をしたけど 二度と会わないままさ あれから何年かたって あの日の夜に僕は なぜあの約束の場所にさ いかなかったのか問いだした まるで禅問答みたいな 遊び繰り返し描いてみた ポツンと常夜灯で浮かんだ 無邪気に裏切られ佇んだ君の眼が 思い出重ねて繰り返す限りは 醒めないままYES いつの日か街を出れば 全てがただ幻のように とうに終わったドラマを 夜中に見ながらいつか いつのまにか そう、いつの日にかまた 「ああ、ねぇ、 蜃気楼のようだねぇ。」