逃げ続けていた 僕達はずっと 往先のない渡鳥の様に だらしない侭 歯噛みしていたって 誰も変わらないと知っていたのに 君の好奇心がそうさせるのなら 僕は何も止めはしないが 息を吸って吐いて眼を閉じて 二人で また「愛してる」って 端的な解答を導けど もう如何しようもないさ 涯に僕達は屹度交ざり合っていく 正解も不正解もない場所へ 棄ててきたんだ 煙草もライターも小説も全部 縋るものなら君だけで満足だ 不幸じゃないが 決して幸福とも呼べぬ代物さ さぁ 何処まで往こうか 僕の猜疑心はそうさせる だから君はもう求めはしないが 息を吸って吐いて握った手 二人で まだ「前がある」って? 完璧な才能を手に入れど 猛毒でしかないさ 涯に人生は屹度窮み切っていく 体裁も不敬罪もないものへ 最適な感動も 哀しみも 尊大な心も 果たその先は屹度解り切っている 過去も現在もない時へ