何も言わない君の影に 「ごめんね」なんてはぐらかした手 馬鹿したように戯けて笑っていた いつもの距離からの君の背 夕暮れ夏日始まる 夜明け夏祭り 立ち往生する君に怯えて和いだ 手に触れて消えてしまえば蛍の光に 拐われて揺れる蜃気楼 ゆかたびらを着て微笑う 八月が終わる頃に君の手が 溢れては染まる君に恋をしていた 線香花火みたいに 途中で合わせ踊る君に 幾月待って手繰り合わせて 馬鹿にしないと初めから知っていた 寄り添う肩だけ合わせて 時間だけが過ぎてゆけど 真夏の雷鳴 帰りゆく人の群れに流れ落ちた 手に触れた一雫がやけに冷たくて この殻は閉ざされていった ゆかたびらを着て微笑う 八月が終わる頃に君の手が 溢れては染まる君に恋をしていた 線香花火みたいに ゆかたびらを着て微笑う 八月が終わる頃に君の手が 溢れては染まる君に恋をしていた 線香花火みたいに それでもまた恋をする