あなたは柔らかな雨に消え 静かな海の中 行き場を失くした雨の匂いだけが 残って 止んだ空辿って 何故か探してしまう 側に感じた 見えない姿を 優しいほど記憶が 音もないままに疼き出す 簡単な事だった 気付けば渇いてた 孤独な夜も あなたに会うまで 大切だと思うほど 深い海の底へ あなたは麗らかな春の雨 虚ろな時間の中 戯けたふりした 桜の花びらのように 弱いまま落ちてく 会えないのはいつか会えたから 失くしたのはいつかこの広い空を 映した海の中で 見つけたから 止んだはずの空に 煌めいて揺れる影 不意にあなたの 戸惑う姿を 一人の痛みを 同じように抱いていたんだね 簡単な事のように 何だって受け止めて 季節のように いたずらに遊んで あなたは違うと 勘違いしていた ずっと 大丈夫と笑うほど 繋ぐ手は強くて あなたは透明な冬の雨 寒さも突き抜けて 気まぐれに染まる 温かな雪の花びら 濡れたままで踊る 会いたくて探したらあなたは 雨だった 懐かしい匂いが行き 場をあの日に返してまた 泳いでゆく