白い息 閉じこもった体温 見慣れた街路灯 自転車の音 震える声 赤い頬 離れた手と手 見慣れない街の街路灯 壊れた時計と過ぎた時間 初めから全部決まってたみたい 僕の掌を掠めてく あの日の僕たちの綻びに 今更気付いても 仕方がないけどね 息を止めて あの季節を待っている 記憶の中でしか会えないから 滲んで歪な星に 煙を吹きかけて呟いた 「そろそろ 進まなくちゃ」 変わらないものと変わっていくもの また見比べても仕方ないよな 君がいない部屋の陽だまりに 置いていかれた読みかけの本 見え透いた別れの結末と その先を読めなかった君と僕 壊れた時計も錆びてしまう 動かない針に僕を重ねる 破れた言葉たちを並べ替えても 過去は変わらないのにね ふと思い出すのは いつも当たり前だったこと 手を繋いでいたこと お互いの一番だったこと ああ 大人になってしまったね 僕ら 全部「しょうがない」で 片付けてしまいそう 理由を付けて仕舞いそう ねえ 君もまだ持っているかい? いつか君が僕を忘れられるように 永遠すら過去にできるように 僕ら背中合わせで もう振り向かないで 歩き出すんだ 壊れた時計を置いて