曇る目を覚ますように 迫る朝 蠢きだすざわめき 宛もなくただ歩いた 先に何があるか知らずに 全てが気だるげで 重い湿度の中 遠回しすぎる言葉呟いて 気付かないふりした 遠ざかる空の片隅で 見え透いた嘘をついた僕らは 震わせるように 狂わせるように 罪の味をただ噛み締めた 晴れない雲に隠れた 灯りにならない三日月が 庇い立てるように 包み込むように 僕らの居場所を隠してる 止まったままの世界 二人の足音だけ響いた よろめきまた歩いた ここにきた理由も忘れて 風もない静謐な 鏡面の湖畔で うつむいたままの君の手を引いた 言い訳するように 色付く空の片隅で 混ざりあうその青さに僕らは 目を奪われて 言葉に詰まって 罪の重さを忘れられた 東の雲に隠れた 朝日になりきれない光が 慰めるように 笑いかけるように 僕らを染め上げていた 鉄のように冷たい肌 少しずつ温めた 色彩の移ろいの境界線で 幕上がる空の片隅で 薄れてくその青さに僕らは 解けた言葉で 別れを告げた 次も逢えることを願って すくった手からあふれた 想いを朝焼けに放って 消えてゆくのを 溶けてゆくのを 見送った 紺青の空に