短い夏がまた始まる 細いその足が浮足立っている 君は焼けた地面を走り 遠くで手を振り僕を急かすんだ 熱に揺れるその顔を 追いかけ続けた 些細な事も忘れたくない 含んだ氷の冷たさだとか くだらない悪戯で 叱られたりしたけど 君と居ればどんなことも 笑っていられた これが最後の夏休み いつまでも切り出せずに 遠くへ走る君の背を ただ見ている 短い夏がまた始まる 夜になるのに沈まない太陽 涼しい風の吹く海辺で 欠けた月を見る 今日が最後の夏休み 君と離れたくないけど 言わずに行こう 僕を忘れてしまえば これが最後の夏休み 長い夢だったみたい 遠くへ走る君の背に ただ手を振る