優しいあなたの正体はありふれた 言葉たちだった 報われないし救われてないけど 忘れられないでいたい 夜明けで溶けたあの空は 死にたくなるほど青かった あなたさえ生きていればいいと 思って眺めていた 貸してもらったあの朝焼けは 私のことを許してくれた 暖かい光はあなた だからあなたが世界よりもだった だからあなたが世界よりもだった あなたが たった 100円出すだけで買えるような コーヒーや 何億円もする ビルがどこにでもあるように あなたもどうせ 探せばいるような どこにでもいるような人さ それでも生きてて 欲しいからあなたは生きていてね 街を照らす ボロいパチンコの明かりが 夕焼けを食って空を 塗りつぶすのならば そこで踊って欲しい ただ踊って欲しい ドレスじゃなくたって ジャージを着てたって 薄汚い日々が色を変えあなたを 引きずって突き飛ばして 唾をかけるのならば ガラスを引っ掻いたみたいな声で 泣いたっていいよ 泣いたって綺麗だ あなたは 透明な灰皿に潰した 二本のタバコにかかる月明かり セーラームーンなんて 助けちゃくれない 肩を抱く人がいなくたって 結婚指輪がなくたって 誰にも愛されなくたってあなたが 生きてて欲しい あなたが