耳をすませば夏の呼び声 栞を挟んだあの日の記憶 まだ名前のない小さな景色に 何かを感じた 子供ながらに ツツジの花が綺麗に咲くから 君の家まで届けに行ったよ 光の数を数えてみれば 温かな香り この町はまるでコーカサスの山並み 茜差す帰り道 二人並んで かえるのうた歌う 「じゃあまた明日」「また明日」 約束だよ 少しだけ寂しくて、眩しくて 今風を待つ 朧げに浮かぶ思いを上手く 言葉にできずに陽炎に溶ける 鬼さんこちら、手の鳴る方へ 擦りむいた膝と君の笑い声 捕まえてみせてよ 茜差す帰り道 位置についてせーので駆け出した もう遠くなる君の影 置いてかないで 息切らし、汗流し、空仰ぎ 追い風を待つ 茜差す帰り道 前を向いて明日に胸を張る このトンネルを抜けた先 道は開いて 「待っててね」「待ってたよ」 手を取って 今風が吹く