じゃあさようならだね 最後に綺麗にしたって 汚れも傷も消えないみたいだ なんてさ 笑えるよね ねえ この部屋から 眺める景色 好きだった ひとりで遠い街に住んだら 思い出すこともないんだろう だんだんと終わっていく 手際よく運び出された 荷物を載せたトラックだけが 行き先を知っている さあ ドアを開けて 最後に駅へ歩こうか 退屈だって思っていた道でさえ もう大切だったんだね 改札前は忙しない 隣を見る暇もない ねえ まるで自分たちみたいだと思った さようならも言えないまま 思い出せなくなるだろう 名前もないこの気持ち じゃあ 部屋の鍵は ひとりで返しておくから 分かれた道は目の前にあって 二人歩き出してゆく 誰かに出会って いつか幸せになったなら 思い出すこともないんだろう ねえ 明日からは どこかで偶然見かけても もう知らないふりをして 目を逸らすよ さようなら そしてありがとう