終電を逃して 君を連れ去ってしまいたい 忘れられない夜にしようよ なんて言えるわけもないんだけどね 冷たい風が肌に刺さる、 二人暗い夜道並ぶ影 触れそうで触れられないのさ 穏やかじゃない心の中を できるもんなら君に全部、 見せてやりたいのさ 歩幅はワザと狭くして 目線はなんとも合わないな なるだけバレないようにして やっぱなんかダメだな 終電を逃して 君を連れ去ってしまいたい 光の雑踏二人抜け出して 愛してるに意味がなくなるくらい 抱きしめてしまいたい 今日だけ僕のものにしたい 忘れられない夜にしようよ なんて言える訳もないんだけどね このままどこか遠く二人で行こうよ なんてドラマみたいなクサイ台詞が 喉の奥に詰まってる 街灯すら綺麗に見えるんだなんだか やりきれない寒さも心地良く感じて 他の誰かの隣で その顔を見せないで 春の匂いが頬を撫でた 君の小さなその手を掴みたいんだ 柄にもないこと言って いつもよりお酒が回って 本当に言いたいことは別にあんのに 何も知らない顔して 君が無邪気に笑うから ただ一言、その一言を 君に伝えたくて 終電は無情に君を遠くへ連れ去って 寂しくないなんて強がりさ 回る酔いの中小さく手を振った 街頭だけが僕の帰り道を ただ照らして 寂しげにできた一つの影 言えず終いの今日が やがて昨日になるよ 夜風に撫でられて