同窓会やりませんか あの頃の僕達は 明日を生きることに精一杯で 食べるか 寝るか アレのことしか考えてなかった きっとアイツとアイツは将来 早いうちに子どもをつくって 同じ苗字になるんだろうな ずっとそう思っていた だけど卒業して社会に出て 連絡取り合うことも 無くなっていた矢先 ピカッと光った通知がズラリ 「同窓会やりませんか」 「いいね!幹事は誰がやる?」 「そこは言い出しっぺの お前がやれ」 「場所はどこ?」 「ねぇ何時から?」 「てかみんな めっちゃ久々じゃねw」 「久々すぎてまじ笑うわ」 「まぁ取り敢えず 決まったらまとめて」 「なるべく参加でお願いします」 好きだったあの子が 左手に指輪をはめていた 「内緒にしていてごめんなさい、 私結婚したの」って あの頃と変わらない顔で笑うから 「おめでとう」なんて 言えなかった 笑顔がめちゃくちゃ可愛かった 隣の席になったこともあった 教科書を忘れたフリして 机をくっつけた 「あの子がお前のこと 好きらしい」って 友達に聞いて舞い上がった けれど告る勇気なんて 持ち合わせてなかった 大人になってそれなりに遊んで 彼女もいたけれど ふとしたときに思い出す キラッと光った瞳が 眩しいよ、 「同窓会盛り上がった!」 「そうね!絶対またやろう」 「今度は先生も呼んでやろうぜ」 「連絡先誰か知ってる?」 飛び交う文字をぼんやり見つめ ポチッと非表示ボタンを押す まぁ取り敢えず 止まらない涙よ なるべく早めに止まってくれよ 好きだったあの子が 左手に指輪をはめていた 「内緒にしていてごめんなさい、 私結婚したの」って あの頃と変わらない顔で笑うから 「おめでとう」なんて、 「本当はね、好きだった」 僕は耳元で囁いた グラスを持つ手が止まる 少し困った表情で 「私もね、好きだった、 だけどもう遅いね。」 同窓会なんて 行くもんじゃねぇ