Track by水科みり
取留めない身体一つ 投げ出した、花に嵐 春に咲うその陰で 甘い死臭が肺に滲みる 彼の記憶が脈をうつ 荒れた皮膚が覆う肉 夏は春を踏みつけて 有耶無耶にするために来る 喧騒の只中で凪ぐ様 「幸せで不幸でもある」 混じりあい溶かしあう程 春が濁っていく 冬が来れば夏を乞い 汗で粘る肌のこと、 無言が劈く夜のこと、 何もかも忘れて悴む 取留めない身体一つ 投げ出した、花に嵐 春に咲うそのかげで 心二つ、泥に塗れて