最低なあなたのことちょっと羨まし いの 私のナイフは果物ナイフ 青春の本当の意味を、 先生は黙っていたね うさぎのりんごが海に沈んでいく 深海みたいになったワンルーム思い 出ばっか 読めない文字が揺蕩う 少女を辞めてしまって全部分かって しまった 煙草はもう答えになれない コップに毒を吐き出して 飲み干してまた胸にしまった ハイウェイ飛ばしていった残像が追 い抜いていく 私のナイフは果物ナイフ 人生どうでもよくても化粧落とさず には寝られない 今日と明日を断つ夜を探している 最終電車が疲れた身体ひとつ運んで いった 休むには短い生命よ 水平リーベの船じゃ富士山には登れ ないし 愛想笑いの足しにもならない 肌色透かしたレースが バカらしくなってさ、泣けるね 全然割り切れなくて当然切り捨てら れない 私のナイフは果物ナイフ ずっと大事にしていたらついに腐ら せちゃったの 静寂に身ひとつ、波に揺られている