飛び散る 夏の硝子の中へ 消えていく君は上手く笑う それすら金属で編んだ 都合のいい幻さ 息を止めたまま走り 抜けてしまえそう 涙の落ちる速度で 掻き消されてゆくから お願いだよ この夕暮れを私の目の前へ 滑り降りてきて! 止まぬ雨すら 急かすように胸に飛び込んで 壊れそうだ 沈む世界が 手を振るほどに燃え映る 届きそうな虹の上 笑えないのは、この掌は、 私だけに見えるあなただけが降り 積もる でたらめな空 ひっくり返した箱の夢 積み上げた影が背を向けて言う 夜のつきあたりで 「時計は優しいよ」だって 跡形もなく塞がる傷の 波打ち際を走る君を数える 睫毛の先の金属で編んだ 速度で早く連れてってよ この夕暮れをあたしの目の前へ 滑り降りてきて! 目が開かぬほどの! 甘いセルロイドの血を流して ねえ、もう行かないで 沈む世界で手をく伸ばす僕に燃え 映れ ゆうぐれ まだ怒ってるよ、腕が震えてる まだ動いてるよ、歌は聴こえる? まだ覚えてるよ、本当、 蹴っ飛ばしたい ほら濁ってゆくよ、 終わらないように 壊る機の虹 なんで黙ってるの