月を背にしたら影が伸びたから 照らされてる様な 錯覚に囚われはじめた 空想の中で満ちた心まで 暗がり立ち込め ひとしきり街には雨が降った 結わえてよ 少しでもさ 僕の皮膚その光を ずっと夜でいたいよ じっと逃がさないよ 外套の下、月ひとつ 朝が怖くなくなれたらさ きっと空に返すから 永遠に白に返らない 風は生来暗いの大都会 壊れた破片 返す光も無く 憂鬱がひとつ立ったら すぐに隠れちゃうのが 悪いみたいなんだ 怖く見えたかもね影が伸びたから 風に磨かれた塔の影広場を貫いて 隠してよ 私の影 冷たくて無口な針 ずっと遊んでたいよ ちょっと踏んでみたの 君の後ろに、足ふたつ 一人が怖くなくなれたらさ きっとすぐに離すよ お願い ずっと夜でいたいよ じっと逃がさないよ 外套の下、月ひとつ 朝が怖くなくなれたらさ きっと空に返すから 波が、さらう、月の 引力でさ、浮き上がる 足取りは 私のもの? 月を背にしたら影が伸びたから 少しだけ君との距離が縮まるの そんな気分 救ってよ 少しでもさ 伸びる闇 その両手で そっと照らして外灯 ぽっと染まる右頬 影に浮かんだ、月ふたつ 変化が怖くなくなれたらさ きっと言葉にする 「(秘密ね)」 ずっと夜でいたいよ じっと逃がさないよ 外套の下、月ひとつ 朝が怖くなくなれたらさ きっと空に返すよ ーー約束ーー ずっと遊んでたいよ ちょっとずれてみたよ 月の明かりに、影ふたつ 甘い影は広場に伸びて 時が流れ始めた