「何が好きとか何が嫌いとか いい年だからもうやめたら?」 とあの人は言った 「好き嫌いとか目を悪くするのよ。 目を悪くするとさ、この美人が見え ないよ。」とあの人は言った そして彼女は準備を始めた あの人が毎朝焼くパンには 決まって忍び込んでる ラムレーズン それをひとつかみ、 ちぎってはバレて 怒られるのが好きだ 「嘘であるなら嘘でいいけど 最後の日まで騙しきって」と あの人は言った あの人が毎朝焼くパンには決まって 忍び込んでるラムレーズン いつからか無くして嫌いだけ残って 好きになれないラムレーズン 嘘や本当はさておき、あの日々が あったような