Track by椿屋四重奏
点々と足跡順風に非ざる 現を零し歩く 銘々の手招き早々 戻らぬ様子 已んだ幻を追ふて さすれば問ひを仕舞う 仰げば雨粒手が頬を打つ 行灯を頼りて 恋情にもたれた 尽きて再び灯す さすれば明後に知らす病葉 水溜りの一刹那 月下にて顧みた一刹那 詩歌切れ切れの盲信を 十重に二十重に庇ふ無様を くゆらすは 白々し御夜に すがる身の程が粗末な余り 見解く以前に色褪せ流るゝ 数多の次第を 今更拾ふて胸に広ぐのか 羽折りし不実に喘ぐのか…