海峡飛び立つ 海鳥よ 翼をおくれ あたしにも 望郷千里の 血の涙 幾度 幾度 流して 耐えたやら あゝ あれから何年過ぎたのでしょう… いくつになっても故郷が 恋しくて 懐かしくて… 戦(いくさ)の嵐に いたぶられ 縺れて切れた 縁糸(えにしいと) それでも生きてて よかったと 風に 風に 微笑む 紅芙蓉 お母さん… せめてもう一度 お母さんの あったかい膝で泣きたかった 甘えてみたかった 昭和に倖せ 置いて来た 老女(おんな)が肩を 寄せあって 望郷千里の わらべうた 唄う 唄う 夜明けに 春よ来い