息を吸って吐いて 深くなって暗くなる視界 息が止んで消えても 為れやしない あなたの酸素には 飛べない翼は醜いだけ 空はあんなに綺麗なのに 愛されないのは汚いから 夢で見た世界さえ この舟は海に浮かぶだけ 誰も見ていない航海 黒い波に攫われないように 息を潜めてる 天が堕ちて逝って 人間の振りをしてる僕らには 神様の考えなんて分かんない 何故心がある? 痛みも感じないくらいだよ あなたの唇に触れる魔法 化け物でも生きて良かったよ 舟が動き出した 恐れも感じないくらいだよ あなたを失って解ける魔法 どんなに暗い水の中でも 息をしてるから 重くなる身体沈んでく深く 愛せば愛す程に溺れて どうして気付かなかったんだろう 何も知らないはずなのに その眼には海が見えたんだ 夢で見た世界でも どうして強がっていたんだろう 綺麗になれないのに僕らは 本当の話をするから 抱き締めて溺れよう 翼は飛べなくてもいいんだよ 化け物でも生きてゆくんだよ 片方の眼は要らないから 舟は進んでくから 泥舟だっていいんだよ 沈みながら生きてゆくんだよ 片方の肺をあげるから 息をしていてよ 泥だらけでも 舟は進んでくから 何も見えなくても 息をしていてよ