平らにならしてその上を平気で歩く 者に 地底から響く叫び声はもう 聞こえない 届いたはずの声が 靴底にへばりついてる 吐いては吸って体を満たすは 灰色の煙 塹壕で響く少女の歌 戦禍で生まれる新たな生命 彼は言った 愛と平和を 明日を背負いながら燃える故郷へ 向かおう 託した思い 明日にはきっと さっき話した彼が隣で虚に転がる 我が子を抱き声枯らし空を 仰いでいる人 瓦礫の中から見つめる 写真の中のあなた 灰が落ちる さっきまであった懐かしい街 分かっていたことはもう 会えないことだけ 向けられた銃口 手を繋いでいよう あの日見た彼の背中 涙で歪んだのは いつか帰るのか それとも還るのか 彼は想う どこかの庭に眠る彼女を 抱き合った日々は遥か彼方のよう 若葉を 摘ませないように 未来への盾となろう 託した思い 明日にはきっと