季節が一つになる頃に 可憐な花に虚ろを見た グレイに差された羽の色 苦悩が孤独である証 鮮やかに廻ったはずの格子は 青々と輝く苔で満ちていて 深い眠りから覚めた私を 絶望させるに足る景色だった 誰かがくれたあの感覚を思い出して 生い茂る草木に頬を預けてみる 遠くなる声に縋った私には 冷たさだけが伝わっていた 言葉を繋いで見つめた 先の崩壊に溶けていく 時間が私の身体を潜めるその時まで 痺れた足で揺らぐ視界 萎れた花に希望を見た 組織を壊した雨の色 濁った水面に映る雲 知覚を燃やして産んだ灰に花弁が 咲いていく 私の心が溢れ出す意味が救いとなる