残酷なことは良くないんだと 気付けば自分の中に備わっていた 焼け跡を貫通したその長い廊下を 生まれた時からふわふわと 歩いていた 頑丈なアスファルトも 次第に脆くなっていく 厳かに見えた一本道も貧弱に でも危惧をしても疲れるだけ メリットもない 命を保証されたかのよう だらだら歩いていく ――― 「外では善人の教育者 人格者 親と名乗るよ堂々と しね」 「ララララララ 平和ボケ 平和な社会の特権 ララララララ」 「頭の回路がショートしちゃってる 直そうとはんだづけをしたら 変な風にくっついちゃった」 「やったっ やったやったっ やったっ やったっ やったっ」 「悲しい歌を作っていたその人が 本当に悲惨な境遇の人を呼び 寄せてしまって 取り返しがつかなくなっちゃったん だって」 ――― 気付いているか 足元は今 岸の無い海に一本架けられた吊り 橋のようだ どこから誰かが来て いつ叩き割られるかも分からない 出口を 出口を教えて下さい 泳げないんです ああ