閉店セールの幟をもう何年間も 出しっ放しにしてる 婦人服屋のおばさんが 入退院繰り返して店を閉めたらしい 本人の口から聞いてないから きっと嘘だろうけど 永遠はいつだって 瞬間と見分けがつかない 目を逸らすばっかの僕は 後ろ姿に手を振るんだ 夏を臨む綿毛たちが 信号を無視して吹く風に 我先にと乗っかる めぐり合うこと いつか朽ちてしまうこと 分離帯で青を待っている プトレマイオスのように 僕は今でも眺めている 夜を下書きするような テールライトを翳す街の中で うどんを食べ始めてすぐ 違和感があり 曲がっている割り箸を 引いた事に気付いた時 追い返さなくちゃいけない 死神の声を聞く その手合いが持ち合わせてる鎌が 1番切れるのです 百年経てば壊れる宝物を 抱きしめずにいられない 面倒な生き物 僕は諦め切れずにいる 君が笑うみたいに 吹いた風を見送りながら