咲けよ 我に 宿る 波等(なみら) (邁(まい)) 轟(とどろ) 肚裡(とり)の 鯨波(とき)は 響動(とよ)む (轟(ごう) 轟(ごう)) 脚を 駆るに 労しはせぬ (邁(まい)) 対(むか)う為に 灯した 此の火が 燃え渡る 遮莫(さまらばれ)よと 進む 道に (邁(まい)) 集(たか)る 類は 誰も在らず (静(じょう) 静(じょう)) 蘆(あし)を 苅るに 弄しはせぬ (邁(まい)) 歌う為に 殺した 己に 殉(とな)う迄 曝されし 檻の中で 澱んだ 妬害(とがい)を 然(そ)う 振り払って 遮(た)えらるとも 貫きの 鑓(やり)に 心 一つ 突き立てる 氣を 還えらぬとも 往く前(さき)の 果てに 此処を 遷(うつ)して 内に 吹き頻(し)く 旋風(つじかぜ)の様に 嗚呼 曝されし 檻の中で 漲(みなぎ)る 血汐の 然(そ)う 飆(かぜ)になって 舞う様に 遮(た)えらるとも 貫きの 鑓(やり)に 心 一つ 突き立てる 氣を 還えらぬとも 往く前(さき)の 果てに 孤鴻(ここう) 羽撃(はう)ちて 共に 斉(ひと)しく 旋風(つじかぜ)の如く 舞え