星のない夜 蛍火を探してた 息を潜めて 聞こえない声 零さないように 耳を澄ませていた 水の 葉を打つ 遠鳴りが教えてた 季節の終わりを 見えない姿 探すように 目を凝らしていた 霞み また ふわりと 揺れて また 光る 頼りない蛍火 祈るように灯す火を さよならも伝えられないうちに 微かに灯った明かりが 途切れないように 指の中に 包むように 今ここに結んでよ 不確かなものを ただ縋るように手繰った 透明でも その姿を晒してよ ガラス越しでも 心に描いた 蜃気楼が ここに見えるように 霞み また ふわり 揺れて また 光る 頼りない蛍火 青葉の夏 とうに日は落ちて ひとつふたつ 揺れる光を見た いつか不意に終わる時間を 確かにある今を 燃やすように 呼びかけるよ さよならも伝えられないうちに 微かに灯った明かりが 途切れないように 指の中に 包むように 今ここに結んでよ 不確かなものが 僕たちを繋いだ さよならも伝えられないこの手が 遥か遠く あなたに 届きますように 繰り返し 繰り返し 今ここに結ぶよ 星のない夜 蛍火を今も探しながら 霞み また ふわり 揺れて また 光る 頼りない蛍火