揺れる陽炎が 先を拒むように カラカラの舗道が 波を寄せる 肌をなめるような 雨が降る頃に ひび割れた舗道は 夏の吐息をもらす ただ過ぎてゆくこのときを 僕らは待っていたのかな 限りある幸せに 僕らはハッとするのかな 目に見えないものに手を伸ばす 君の赤い肌 茜色の空 半袖の僕らは 肩を寄せる 熱を冷ますような 風が吹く頃に 背の高い影が 夜のインクに染まる また歩き出すその先に 明日が待っているのかな 夢のような思い出は 花火のように散るのかな 手に負えないものに目をそらす 動き出した始発電車で このままそっと夢の続きを ああ 今降り注ぐ夏の日に 僕らはずっと自由かな 好きになったあの人と このままずっといるのかな ただ過ぎてゆくこの時を 僕らは待っていたのかな 限りある喜びを 見つけてハッとするのかな 手に負えないものに目をそらす 目に見えないものに手を伸ばす