アタシはアナタじゃない アナタはアタシじゃない アタシはアナタじゃない アナタはアタシじゃない だって… 「ごめん遊ばせ、人違いかしら?」 気怠るそうにタバコふかし 自信に満ちた表情 「アタシ、あの人と面識が無いの」 捜査は既に困窮極め 現場には謎めいたメッセージ 「この事件もここまでか…」 みんな天を仰いだその時 「…そういえば、 同じ顔の人を見た」 止まった時計の針が動き始め 「あり得ないけど、 あり得るのかも知れない」もし 本当なら真実は闇の中 早まる心臓 「お願い、夢ならば覚めて!」 全部お見通しなのね バラバラ散らばる花弁と 黒いカーテン 風に揺れる様は まるでナイトメア 威風堂々と笑う 名前もわからぬ容疑者は ドッペルゲンガー 「”バレちゃったらしょうがない” なんて言うとでも思ったかしら」 「アタシ達を見たらば何が 起こるかはご存知?」 事件現場の怪しいウワサ 「あの女、2人いるらしい…」 誰もが驚いた顔 「まさか! そんなことが起こるだなんて!」 とっくに枯れた筈のガーベラが 失くした色を取り戻し 「"思い込み"なんて捨てて」 とでも、言いたそうに咲き誇り 「もうわかんない! 何が正しいかなんて…」あの メッセージが頭の中よぎる 「思い込み…そうか! 勘違いしてたとすれば…」もし 本当なら 誰かが手を加えた 歪んだ真実 「お願い、その手で暴いて!」 見過ごす様な所で ギラギラ光る二つの眼が 冷たい暗闇さえも 切り裂くサーチライトなら 解けない誤解さえ 諦めたような眼差しは こっちを見ていた 「気付いた時には 戻れないことはもうわかってたの よ」 「ウワサ通り予定調和な 結末でいいんじゃない?」 ヒトリはアナタじゃない ヒトリはアタシじゃない アナタはアタシじゃない アタシはアナタじゃない 「…ねぇ、 なんか大事なこと忘れてない?」 目を逸らした隙の出来事だった 倒れ込む同じ顔した女達は もし本当なら 真実は消えてった かすかに微笑む 哀しき運命と共に 「今更遅すぎる…」って 消えそうな声で言わないでよ 命の火を灯す女達は 悪役演じてた 白昼夢の様な真実 大衆の声で踊ってた ドッペルゲンガー 「”バレちゃったらしょうがない” なんて言うとでも思ったかしら」 「アタシ達を見て見ぬフリをして 行って頂戴」 「アタシはアナタじゃない?」