「光りながら 降りてくる 紫の蝶々たち」 記憶の中で私は独り 湖で月をすくっていたの 手の中でゆれる黄色い蜜を 最後に飲んだ紫の光 あれはそう 思いつめた母でしょう いつかきっと迎えに来ると 光で告げられた 悲しい事がたくさんあるね 新聞にこぼすミルクが消えた ひらいたばかりのコップの中の花 今夜と告げて ハラハラ散った いつか見た光りながら降りてくる 紫の蝶々たちが 私を連れに来る 足が浮く 湖へと 走りたい 地面蹴って お願い走らせて 足が浮く 影を見るのが怖い 走って 走って ひとつ願いがある 走って 走って もっとここに居たい 走って 走って 心が 人が 愛(いと)しい 走って 走って 幻だったと 言われたくない 走りて 走って 幻だったと 言われたくない 走って……