今宵眠りにつく街の中 君のことを思っていた 夜風を浴びたあの日々に 小さく浮かんだ月 遠い昔のこと 満月の下肩並べて はずれのアイスで笑う君との 未来を重ねていた 砂利がサンダルに入らないように 歩いてた海辺の景色は 寄せては返す日々にのみこまれた 今宵眠りにつく街の中 君のことを思っていた 夜風に揺れたあの日々が 消えないように今日も生きている 今宵満月は見えないから 風が運んでくれないか うすく光る夜雲に祈った 「元気でやっていますように」 さよならの区切りもなく 大人になった僕たちは なんとなく歪んで なんとなく離れて 青き日々に終わりを告げた 二人の行方にもう始まりはないから ずっと残る傷に抱かれている 満ちた月を見るたび思い出すんだね 砂のかかった笑顔も 折れそうな細い指も 隙間のない街の中から思ってるよ 今宵眠りにつく街の中 君のことを思っていた 東京の夜は少し静かで 戻らない面影を描いている 浮かぶ満月を見上げた二人を 涼んだ風が思い出させたよ 強く照らす夜雲に祈った 「元気でやっていますように」