窓にすがる残映 点滅器の冷たさで振り払う 飲み干す痛み噛みしめて ぼくが僕のままだと確かめる こんな僕でも日々の境目を 分かりたい 「一足お先に」 今そこにあるものから目を背けても 明日は誰が連れてくる 今日は どこへ捨てられる 朝と夜を切りかえるには いくつの歯車が要るのだろう 気づいたときには今日が昨日で 明日が今日で 時計の針が動くのを 目をこらして待つ子供のように 天体が傾くのを いたずらに眺めていた そこに秘密が隠されていると信じて 猶予のすべてを使い果たした 他人事ではないこと 知っていたはずなのに そうしてまた巡るうち あどけない落日にとらわれた物思い 知らなければ見逃された ここままじゃ帰れない 目を閉じるのが怖くなる 急げ 逃げろ 星の見立てが変わる前に どこへ 助けて ぼくが僕じゃなくなる 日が昇れば元通り あの憂いが嘘のよう ぼくは僕の終わりが分からない そんなことあるはずない 「一足お先に」