あの野郎の言うことは まるで嘘っぱちばかりで 信じたほうがバカを見るのさ 百年ひとりの大ばら吹きだよ あの野郎に泣かされた 女は星の数ほど 買った恨みは砂の数ほど 憎まれはばかる 鼻つまみ者だよ しっぺ返しを食らっても へこたれないのさ どうせ浮世はこんなもの 神も悪魔もいやしない いつだってどこだって 虎の尾を踏むような世界で 飛び交う矢をくぐり笑うのさ 死んでたまるかと 舌を出す あの野郎の歩く後 花のひとつも咲きゃしない 行く当てもなく街をさまよえば 着いてくるのは 野良犬くらいのものさ あの野郎の呼ぶ声が 朝から晩まで鳴り止まぬ 耳の奥深く住み着いてるのさ 今日もよからぬ誘いを 持ち掛けやがる まぶしいヘッドライトを 朝日に見立てて 汚れた手のひらかざして もう一度夢を見たのさ いつだってどこだって 明日をも知れない世界で 後ろは振り向かず歩いてく 地平線まで この世の果てまで あの野郎 あの野郎 あの野郎 あの野郎 死んでたまるかと舌を出す