この町で一番の破格値のアパートへ 僕は夢を追って来た10代最後の春 この町で一番の高台へ登る坂 いつも自転車降りて押して帰る 日々だった 隣の部屋にはいつも彼女が来てて それをかき消すようにギターを 鳴らした 下り坂はいつもペダル漕がないで 行けた 蜜柑畑の側にある狭い一本道 もう戻らない 引き返さない 択んだ道だから 風呂屋に行く時には洗濯物も持って 先に放り込んで 200円入れて隣へ向かう 回数券渡して急いで風呂済ませて 戻る 張り付いた下着とTシャツを 桶に仕舞う 僅か5分で汗だくになって押す 自転車のベル揺らしカップル 追い抜いた 学校へはいつもペダル漕がないで 着いた 蜜柑畑の側にある土の一本道 いつもと同じ練習部屋で 腕を磨いてた 下り坂はいつもペダル漕がず通り 抜けた 蜜柑畑の側にある土の一本道 振り返る暇もない二十歳 怖がらずに駆け抜けた 蜜柑畑の側にある狭き一本道 今は街が一望できる 噴水のある公園