背中をぎゅっと押されるような 勇気をもらった瞬間がある 背中をそっとさすられるような 心が楽になる瞬間がある 進んで戻って を繰り返して もといた場所さえ 分からなくなった でも これまでもらったものたちが 走っていけ、と 僕の手を強く引く 歩き出すのだ 傘がなくとも 大丈夫じゃないが もう立てるだろう 歩き出すのだ 傘がなくとも ふと 顔を上げた 雨が降り注ぐのか いいや 空は蒼く広がっていた 背中をぎゅっと押されたのに 進めなかった瞬間がある 背中をそっとさすられたのに 安心できなかった瞬間がある 進んで戻って を繰り返して もといた場所さえ 分からなくなった でも これまでもらったものたちが 信じているから、と 僕を見捨てない 歩き出すのだ 傘がなくとも 怖いが 不安だが 辛いが 仕方ない 生きるというのは 泣かないことじゃない 生きるとは 人の涙をぬぐうことだ 歩き出すのだ たとえ傘がなくとも 歩き出すのだ 傘がなくとも 大丈夫じゃないが もう立てるだろう 歩き出すのだ 傘がなくとも ふと 顔を上げた 雨が降り注ぐのか いいや 空は蒼く広がっていた 本当は知ってたんだろう? とっくに雨は止んでいた