北風に襟を立て 振り向かず歩いてゆく ポケットの指先は 君に触れることはなく すれ違う人たちも 帰る場所を探し続けてる 手放したその心 照らせるのはもう僕じゃない この手の祈りだけが もしも君へ届くとすれば どうか密やかに揺れる 君を抱く風になれ 待ちわびた混ざり道 頑なに消え続けて 燃え盛る太陽は 仄暗い雲に欠けて 剥がれてく月日たち 君の胸は叫んでいたのに 届かない僕の手は 自分の場所だけ確保した 醜く汚れてゆく 気持ちならばいっそ切り捨て 僕は孤独のままに 去り行くと決めたんだ 立ち止まる僕の前を 思い出がすりぬけてゆく 掴めそうで 二度となくて いつまで痛むのでしょう この手の祈りだけが もしも君へ届くとすれば どうか密やかに揺れる 風になれ 君を照らせ 君が 君がくれた あの素晴らしい ひとひらの夢 僕は手をかざしながら そしてまた歩きだす