音もなく降り出す一雫 当たり前に空が暗くなる 傘を差して歩き続けてみた 辺りは少しだけ 見慣れぬ街を映す 見上げた空の香りは 懐かしい匂いがして 渇いた感情でも 溶けだしてく ただ一つの夢を見てた 降り続く雨の中ただそっと 凍えるような花を見て このてのひらから零れ落ちた ぽつりと降り注ぐ雨の中 滲んだ目を逸らした ペトリコール こんなにも優しいのに 繰り返す雨音響く夜に 遠い記憶ふと思い出して 傘も差さず歩き続けてみた 頬を伝うそれが雨粒かもわからずに 見慣れた街の灯りは 変わらず夜を照らす 滲んだ視界さえも 夢を見るように 掴めぬまま零れ落ちた 降りしきる雨の中ただそっと 一人で待つ君がいて この想いは空に溶けてゆく ぽつりと降り注ぐ雨の中 溢れゆく涙さえ ただ静かに 消えてゆく記憶の底に ペトリコール こんなにも優しいのに