風の吹く瞬間に飛び立つ鳥がいた 彼の描く軌跡ならどこまででも 続いていくだろう 風が静まってからどのくらい 経っただろう 葉の揺れない木の奥に小さく伸びる 影が出来ている 翼を閉じていた 一羽の鳥がそこでただ空を見ていた 空を舞う鳥達はどこまで行けば その夢を叶えられるのだろう 美しく描かれる線をなぞり 悠々と広がる大空を見ていた 風を纏い宙へと舞うその瞬間を 待って いつの日かこの翼さえも折れて あの空が私を拒んでも 大切な未来が標となった確かな 方角の示す 君の元へ 風がまた勢いを増していく空に 鮮やかな軌道が映っている 『翼広げて何処までも行こう 僕達はもう迷う事も無いのだから』 そこはもう彼が飛び去った後だった