うつろうペーパームーン 本に挟んで 歩き通した 摩天楼 隅々まで 陽炎くぐり 地下へと降りる 螺旋を描き 落ちていく羽根のように 夢を求め途方に暮れた人たちの 歌が響く駅へ 正確な未来予測なんて 何ひとつできないけど 動かしてみよう 手探りのまま このボタンを押せばメトロが走り 出す 手のひらにはニューヨーク 誰かがそっと息を吹けば 反転する僕の運命 曲がりくねる線路に身を委ねる 旅はいつでもデジャブのようで あの日隠した紙切れを探し回る 時間通りに眠るミュージアム 不器用なふりで固く口閉ざすように 夕闇のなか あの名曲のイントロへ チャイニーズタウン抜けて 毎日は操縦不能な乗り 物かもしれないけど 出かけてみよう 着の身着のまま このペダルを踏めば輝く 一番星 足元にはニューヨーク 矢印はひとつもなく 風に道を明け渡すたび 行くあてのない歌が通り過ぎる 正確な未来予測なんて 何ひとつできないけど 動かしてみよう 思い付くまま このロープを引けば新しい幕が開く 手のひらにはニューヨーク 誰かがそっと息を吹けば 反転する僕の運命 世界中が見過ごす夜へ急ぐ