遠い未来のある日 ふと取り出して懐かしむ 心に小さな火を灯す 記憶の一雫 枯れた毎日に水をやり 凍った心臓を溶かして それはそっと 日常の 奥に帰ってゆく 怯えないで 怖がらないで いつか忘れてしまう“今日“のこと 命ある者は必ず失われるから 今日見た夕陽も 零れ落ちそうな星も そんな全てを贈り物のように 誰かに あなたに 手渡せたなら 明日も生きたいと そう 思えるのに 愛などという 仰々しいものじゃなくて 積み上がってく何気ない1枚を 人は「思い出」と名付けておくの いつか大事な笑い話になるから 忘れないで 夢を見続けて 世界はずっと広くて自由だから 擦り減らした心 必ず蘇るから 打ちのめされた今日も 想像もできない明日も そんな全てを宝物のように どこかに あの場所に 埋めておきたいの 「こちらは空が青いです 風が透き通って 雲が柔らかくて 昼の月が見えます あなたは何を思ったの?」 命ある者は必ず失われるから 今日見た夕陽も 零れ落ちそうな星も そんな全てを贈り物のように 誰かに あなたに 手渡せたなら 明日も生きたいと そう 思えるのに