朝露 木洩れ日を浴びて 惑う胸の内まで 澄み渡るような空気を 先ゆく 背中は振り返らずに 君の旅の終わりに 私はいないんだろう 「この街でしか 書けない歌がある」と 変わってく季節の 香りとともに移ろう それを幸せだと思いながら旅した 知らない街を君と歩いたこの日々を 木々のざわめきに 埋もれながら話した 2人内緒の話は忘れて良いから 命が歌う 私にはあまりある日々を 五月雨 瑞々しく蒸せ返る ⻘い匂い 私の凪いだ心を穿つ 希望を抱き練り歩いた都会の 夜に知った あれは何の香りだったんだろう 手を繋いで歩いた夏 一面ラベンダーの丘 子供心に綺麗だと思った あの頃みたいで 君の作る音楽(うた)を 聴きながら旅した 何の目的もなくただ生きた あの日々を 先のことなんて考えなくていいよ まっさらな世界を 美しいと思える内に 命をあげたい 私には あまりある日々だから 「刹那のうちに 居なくなってしまうんだよ」 寂しそうに笑う君想う 金木犀 ここじゃない場所で 君と出会いたかった そうすればきっと 私は。 今を幸せだと思いながら旅した 知らない街を君と歩いたこの日々を 木々のざわめきに 埋もれながら話した 2人内緒の話は忘れて良いから 世界が歌う 私には あまりある日々を